カワサキZ1000Mk2
 フルレストア その1


その2はこちら
 
 最近来てくれる様になった H君からカワサキZ1000Mk2のフルレストアを依頼されました。
 ご覧のとおりかなりくたびれた状態です。
 H君が気になる点としては、オイルが減る、白煙を噴く、2−3速、4−5速が抜ける。という事だそうです。

 レストアの予算も結構な額をお考えですが、やりたい事が結構な内容と、かなりな現実?でこれは、見積もりに苦心しそうです。(笑) 
 メインハーネスもカチカチで、加工もされています。
 キャブもオーバーフローしています。
 持って来た時には既にエンジンが掛からない状態だったので、分解しながら悪い所を探します。

 ハーネスは少し改造されていますが、おおむね問題がなさそうです。ですが、US仕様のライトスイッチ無しですから、ハンドルスイッチと共に交換です。
 もちろん当店オリジナルの強化メインハーネスを使用します!
 スターターリレーは錆が酷くボルトが折れてしまいました。
 普段でしたら、電気系部品で交換せずに残るのはこのリレーとウインカーリレーなんですが、今回は全部交換決定ですね。

 チェーンは630のままです。リヤサスも抜けています。インナーチューブも錆で終っています。
 H君の住環境が、海辺の小高い丘の上という羨ましい場所にあるのですが、それが、金属製のZ1000MK2君には過酷な様です(笑)

 マフラーはご覧の様な状況ですから鉄製は無理なんでしょうね〜。   

 大概の物が外れたのでエンジンを分解開始。 先ずはオイルから。
 エンジン内で何かかが起きているオイルですね〜。
 カムシャフトはかじりも”少なく”再使用できそうです。
 エンジントップは以外に綺麗ですね〜。

 オイルパンを外しました。 マグネットローターの接着剤が固まった赤い樹脂片が大量に落ちています。
 それにしても、嫌な感じの色をした金属混じりのオイルです。

 ジェネレーターカバーを外してマグネットローターを外すと、、、、、 クランクの交換決定です。
 もちろんマグネットローターのテーパー部もグジュグジュです。
 これとミッションが削れた金属がオイルに混じっていたようです。
 どれも、部品は出ないし頭が痛いです。

 ケースを下ろしクランク、ミッションを取り出し。
 どちらも、使えないのではしょります。

 ヘッドを分解。 オイルが減る原因のひとつがこれ。 このエンジンは今まで開けた事がある形跡が無いのですが、バルブステムシールのリップが変形しています。 組み立て時の手違いか製品ムラだと思いますが、これだとオイル下がりが起きます。
 とは言えオイルが、ガブガブ減るほどの事ではありません。

 翌日分解したケースを洗って洗って、泥、油汚れをとしてスタッドボルトも抜きます。

 カバー類も同じように時間をかけてきれいにした後、ガスケットを丁寧にはがします。

 シリンダーも綺麗に洗ってガスケットをはがしました。
 オイルが減る最大の原因がこれ。先日オーバーホールしたKZ1000と同じで、シリンダー内壁が錆でデコボコになってその隙間からオイルが上がっています。
 この状況は最近やたらと多い気がします。
 もうそういうレベルの車両しか残っていないのかもしれませんね。

 シリンダーヘッドもカーボン、汚れを落としました。(これ時間が掛かるんですよ〜)
 状況としてはバルブガイドもしっかりしていて、尚且つ加工されていないので物的にはかなりいいです!
 これで、ガイドの打ち換えやシートリングの打ち換え何て事になったら絶望的になるのですが、(オーナーさんも私も)取敢えず問題なさそうなので助かりました。
 これで、エンジンの見積もりが出来ます。

 後日、フレームをRADICALさんに持っていって修正をお願いして来ました。
 今回は車体の加工の予定は無く(最初は有ったのですが、エンジン内部の部品がアレなんで、、、予算的に無いかなと、、)スイングアームもノーマルを使うので車両の形で持ち込みました。
 スイングアームの曲がりも見てもらいます。 これが終れば、車体の見積もりも作れます。

 文章と画像でも結構な量なんですが、現実にやることは更にてんこ盛りです(笑)その一部を紹介させていただきました。
 その2に続きます!